電子ブレーカー導入時の設置工事のポイントと悪質詐欺工事の実態
今回は、皆様に電子ブレーカー関連の各種工事を、詳しく、そして、できるだけわかりやすくお伝えできればとの思いから当記事を作成しました。
中には目を覆いたくなるような「悪質工事の実例」なども載せておりますので、電子ブレーカーを導入・設置されるときの貴重な情報源として、有効にご活用ください。
目次
1.電子ブレーカー契約後~設置するまでのプロセス(電子ブレーカーのユーザーさん向け)
2.電子ブレーカー設置工事のポイント(電気工事業者さん向け)
3.電子ブレーカーを設置した後に行われる悪質詐欺工事の実態
3-① 電子ブレーカー上部(1次側)の電線3本がはずされている実例
3-② 電子ブレーカー自体が(電気回線内から完全にはずされ)ただ置かれている実例
<問題提起:稼働しているコンプレッサーを短時間で強制的に止める装置について>
4.マンションやビルの共用部に電子ブレーカーを設置するときの事前準備と当日の対応
5.電子ブレーカーを屋外に設置する際の「防水対策(工事)」について
6.電子ブレーカーの設置工事費と電気工事業者さんについて
1.電子ブレーカー契約後~設置するまでのプロセス(電子ブレーカーのユーザーさん向け)
(電子ブレーカーの販売業者との)電子ブレーカーの購入に関する契約が成立してから…
まず、毎月電力会社から送られてきている「低圧電力(動力)の電気料金の明細書(のコピー)(ひと月分)」を電子ブレーカーの販売業者さんか、設置してくれる電気工事業者さんに提出する。
明細書には必ず、「低圧電力」「契約電力KW」「ご契約番号」「供給地点特定番号」が記載されている明細書(のコピー)を提出する。(なお、既に提出されている場合には、提出の必要はありません)
上記①の明細書に基づいて電気工事業者さんは、地元の大手電力会社か、お客さんが電気の契約をされている電力会社へ電子ブレーカーの設置工事の申請を行います。
ただ、申請書類を作成するためには、電気工事業者さんによる「(設置現場の)現地調査」が必要です。なお、現地調査の所要時間は10~20分間程度です。
申請してから約2~3週間後、電力会社から上記②の申請が通った旨の通知が電気工事業者さんに届きます。それを受け、電子ブレーカーの設置工事の日程を、販売業者さんか、電気工事業者さんと相談し、決めます。
なお、設置工事を行うためには、電子ブレーカーを設置する施設の動力電気を「30~40分間ぐらい」停電しないといけなくなるため、その点も考慮した上で設置工事日程を決める必要があります。
設置工事の日程が決まったら、その工事を行うことによって影響を受ける可能性のある方々に、事前の通知を行います。特に、マンションやビル等の集合住宅の共用部に設置する場合には、エレベーター等、各種の共用部の動力設備が止まってしまうため、各種の対応が必要になります。
この件につきましては、当ブログの「4.マンションやビルの共用部に電子ブレーカーを設置するときの事前準備と当日の対応」で、ご確認ください。
設置工事の当日になると、電気工事業者さんが、工事開始時刻=(動力電気を停電させる時刻)の30~60分前ぐらいに現場に入られ、工事開始に向け、各種の準備を行います。その際、電気工事業者さんの車両を止めるスペースは、できるだけその現場の近くに確保してあげると、工事がしやすくなります。
なお、マンションやビル等の集合住宅の共用部に設置する場合には、設置当日も、各種の対応が求められますので、当ブログの「4.マンションやビルの共用部に電子ブレーカーを設置するときの事前準備と当日の対応」で、ご確認ください。
設置工事が終了すると、電気工事業者さんが、停電させていた動力電気を復旧させます。その後、停電で止まっていた動力設備や動力機械が、正常に動くかどうか?の「稼働確認」を販売業者さんか、電気工事業者さんが行います。
その後、(設置された電子ブレーカーを見ながら)販売業者さんから電子ブレーカーがトリップ(遮断)したときのブレーカーレバーの操作の仕方など、電子ブレーカーに関する各種の説明があります。
設置工事が終了した当日か後日に、販売業者さんから、工事完了報告書や取扱説明書、製品保証書、御請求書などが渡されます。
上記⑦で渡された御請求書に基づいて、販売業者さんへ電子ブレーカーの代金を期日までに支払います。また、リースやローンで電子ブレーカーを導入された場合には、リースやローンの支払いが開始します。
電子ブレーカーの設置後から、大体一週間以内ぐらいまでに、大手電力会社の下部組織(〇〇電気保安協会か〇電工か〇〇〇〇ネットワークなど)の人が、現地に訪れ、電子ブレーカー設置後の「確認検査」を行います。
電子ブレーカーの設置後、電力会社から(毎月送られてきている)低圧電力の電気料金明細書の中に載っている契約電力KWが変更して(下がって)いるかどうか?を、自分の目で必ず確認されることをおすすめします。確認後、予定通りに変更して(下がって)いれば、全て終了したことになります。
ただ、どのタイミングで、契約電力KWが変更(下がる)するのか?及び、いつから基本料金が変更(下がる)するのか?については、契約されている電力会社によって違いがありますので、お知りになりたい場合には、電子ブレーカーの販売業者さんか、契約されている電力会社さんに確認してみましょう。
なお、(昔からある)大手電力会社の場合には、電子ブレーカーを設置したその日から基本料金が変更(下がる)されることになっていますが、新電力の場合には、それぞれの新電力会社で変更(下がる)されるタイミングが違います。
2.電子ブレーカー設置工事のポイント(電気工事業者さん向け)
ここからは、電気工事のプロである電気工事業者さんが行う電子ブレーカー設置工事のポイントについてお伝えします。当り前のことなのですが、電子ブレーカーの設置工事は、第二種電気工事士以上の国家資格を持った有資格者しか行うことができません。
また、大手電力会社へ(設置)申請を行うときは、大手電力会社へ「業者登録」を済ませている電気工事業者さんが行うことになっています。
➀ 現地調査を行う(現地調査のポイント)
前提として、現地調査は「電力会社への申請」と「設置工事(施工)」のために行います。
・まず、電子ブレーカーを設置する場所(位置)を決めるため、分電盤や配電盤や計器盤(メーターボックス)の中の「空きスペース」を探します。
その時、電子ブレーカーその物が、大型サイズ(のブレーカー)のため、設置できるスペースの確認は大変重要です。確認の際は、電子ブレーカー本体(の縦)の長さに加え、電子ブレーカーの1次側・2次側のそれぞれの端から最低10センチ(以上)のスペースも必要になります。(電子ブレーカーの1次側・2次側に電線をつなぐためのスペースを確保するため)
・ただし、分電盤や配電盤、計器盤などの中に、電子ブレーカーを設置するスペースがどうしても確保できない場合には「(ブレーカーを入れて設置する)専用ボックス」の中に電子ブレーカーを入れて、適切な場所に設置する。
・申請用の配置図を作成するため、分電盤や配電盤、計器盤や電子ブレーカーなどの施設内での位置を確認する。
・申請用の系統図を作成するため、施設内の「動力電気の配線」を確認する。
・電柱ナンバー、計器(動力電力量メーター)ナンバーを確認する。
② 電力会社に申請を行う(申請内容とポイント)
・まず、地元の大手電力会社か、現在電気の供給契約をしている電力会社へ電気工事業者さんが申請を行います。
申請内容としては、電気のご契約者の氏名・住所・電話番号・ご契約番号などの他に…
「(現地の)付近見取図」「電柱ナンバー」「計器(メーター)ナンバー」「配置図」「動力の系統図」「電子ブレーカーのメーカー名・型式名」そして、「適合証明書」などを電力会社に申請します。
中でも「適合証明書」は、大変重要な書類で、この書類が提出できない場合には、申請自体を、電力会社が受け付けてくれません。
適合証明書とは
「(財)電気安全環境研究所」が、「電気用品安全法」に規定され、且つ「経済産業省が定める基準」に、(電子ブレーカー)が適合していることを証明した証明書です。
ただし、電力会社によっては、これら以外にも「(電力会社への)誓約書」のような書類にも、署名、捺印し、提出するよう求められる場合があります。
また、関西電力には、今だに「(電子ブレーカーへの)通電検査」が残されていますので、関西電力管轄の地域の施設に電子ブレーカーを設置する際には、「通電検査用アダプター」が必要となり、申請時には電子ブレーカーと一緒に(関西電力へ)提出する必要があります。
③ 電子ブレーカーの設置工事(施工)を行う(設置工事のポイント)
・使用する電線の太さは、できるだけ現在付いている電線の太さにあわせること。ただし、どうしてもそれが不可能な場合には、同じような許容電流の線種の電線を使用すること。
いずれにしても、電子ブレーカーの容量(AやKW)にあわせた電線の太さを選定してはならない。(電子ブレーカーの容量に、電線の太さをあわせてしまうと、細くなりすぎて、その電線の許容電流の上限を(明らかに)オーバーしてしまい、トラブルにつながる恐れがあるため)
・工事の最初には、必ず「検相器」を使って「正相か逆相か」を確かめてから工事を行う。
・電子ブレーカーを設置する場所(入れ物)である分電盤や配電盤の中に「中扉」がある場合、
取付けた電子ブレーカーの厚みで、中扉が閉まらなくなってしまったり、閉まったとしても、電子ブレーカーの操作レバーが落ちる(遮断する)ときに、中扉と操作レバーが接触してしまって、操作レバーが遮断しなくなる可能性がある。
また、中扉があるところに、電子ブレーカーを設置する際には、中扉に大きな穴(確認窓)を開け、その穴から操作レバーが操作できるようにするか、中扉の表側に、電子ブレーカーが設置してあることを知らせるシールを貼り付けること。
・電子ブレーカーの取付が終わったら、再度「検相器」で「正相か逆相か」を確認します。
・確認後、施設内の動力電源を復旧させます。
・動力電源復旧後、関連する動力設備が問題なく動くかどうか?の「稼働確認」を必ず行う。
・電子ブレーカー設置後には「トリップ(遮断)テスト」を行う。
・電子ブレーカーの「(警告)ブザー音」を消したい場合には、それ用のボタンを押せば消すことができる。
以上の2点については、「取扱説明書」で操作方法をお確かめください。
・工事が終わったら、大手電力会社に対して、工事が終わった旨の連絡(竣工報告)を入れる。
・また、電子ブレーカー設置後の(遅くても)一週間以内ぐらいまでには、必ず大手電力会社の下部組織の「確認検査」が(設置現場で)行われますが、電子ブレーカーを設置した場所によっては、設置した電子ブレーカーに辿り着くまでに、「(それぞれの専用の)カギや暗証番号」などが必要になるケースが(多々)あります。その場合には、大手電力会社の下部組織へ「カギの受け渡しや返却のこと」などについて、何らかの手段(電話やメモ書き、メール等)で、(早めに)事前通知しておく必要があります。
(その他のポイント)
・マンションやビル等の集合住宅の共用部に電子ブレーカーを設置するとき、その建物の共用部に「消火栓ポンプ」があり、且つ、その消火栓ポンプの動力電気回線が、他の共用部の動力設備(エレベーターや給水ポンプなど)と同じ動力電気回線内にあった場合には「消防法」の関係で「電子ブレーカーは付けてはいけない」のです。このことにつきましては、当ホームページのブログ:「電子ブレーカーを分譲マンションに正しく導入する方法」に詳しく載せておりますので、よろしければ、ご参考になさってください。
・調査中や工事中のどの時点であっても、金ザシ等、金属製のスケールやメジャーは使用しないこと。(感電する恐れがあるため)
・分電盤・配電盤・計器盤などを開閉する「共通キー(カギ)」は、事前にできるだけ全種類揃えておく。
3.電子ブレーカーを設置した後に行われる悪質詐欺工事の実態
3-① 電子ブレーカー上部(1次側)の電線3本がはずされている実例
広島県広島市の自動車整備工場であった実例をご紹介します…
電子ブレーカーを導入する前には、この自動車整備工場は(低圧電力の)契約電力が、(負荷設備契約で)8KWでした。(そこへ以前飛び込みで営業に来た)電子ブレーカーの販売業者が、(無理やり)「1KW(4A)の電子ブレーカー」を付けたのです。
こちらの自動車整備工場には動力設備が、コンプレッサー(3.75KW)×1台と、2柱リフト(1.5KW)×2台と、タイヤチェンジャー×1台があります。これらの動力設備が(同時に)稼働することを考えると、電子ブレーカーの容量(KW)は、最低でも3KW(の電子ブレーカー)を設置する必要があります。
ただ、それでは、現在の契約電力である8KWに対して、▲5KW分の削減しかできないため、(電気料金の)基本料金の月額削減金額は、約▲5,000円ほどにしかならないのです。それでは、お客さんにリースで電子ブレーカーを購入させるとき、月額リース料金と、ほとんど(金額)差が出ないか?もしくは、逆に月額リース料金の方が高くなってしまうのです。
そこで、電子ブレーカーの販売業者は、電子ブレーカーが落ちる(遮断してしまう)ことは前提の上で、「1KW(4A)の電子ブレーカー」を(無理やり)付けてしまったのです。
そんなことをするものですから、実際にお客さんが(コンプレッサーやリフト等の)動力設備を使用されると、電子ブレーカーはすぐに遮断してしまうのです。こんなことが一日に何回も繰り返されるため、お客さんは電子ブレーカーの販売業者に「電子ブレーカーが(一日に)何回も何回も落ちるので、(仕事が途中で止まってしまい)仕事にならない。早く何とかしてくれ!」とクレームの電話を入れられるのです。
ただ、電子ブレーカーの販売業者は、ここではまだ対応に行きません。それは、電子ブレーカーの設置工事が終了したら、大体一週間以内ぐらいまでに、大手電力会社の下部組織である「〇〇電気保安協会」か「〇電工」などが、現地に、「(電子ブレーカーの)設置後の確認検査」に行くからなのです。
電子ブレーカーの販売業者は「設置後の確認検査」が終了した頃を見計らって、(電子ブレーカーが遮断することへの)対応を行うのです。その対応が、「3-①の画像」のように、電子ブレーカーの上部(1次側)の電線3本をはずす、と同時に、電気が電子ブレーカーを経由しない(通らない)ようにするために、電線を(電子ブレーカーを飛ばして)直結につなぎ変えてしまうのです。要するに電子ブレーカーは、何の役目も果たさない単なるお飾りやダミーになってしまうのです。
電子ブレーカーが遮断することを前提に、できるだけ容量(KW)の小さい電子ブレーカー(1KW)を付けておき、「設置後の確認検査」が終わったら、電子ブレーカーを経由しない直結工事を行う。この行為は、明らかに、電力会社への詐欺行為だといえる。と同時に、お客さんの信頼を裏切る悪質極まりない「悪質詐欺商法」である。といえます。
3-② 電子ブレーカー自体が(電気回線内から完全にはずされ)ただ置かれている実例
広島県呉市の飲食店(居酒屋)であった実例をご紹介します…
2022年の春に、この店の前のオーナーが「10年レンタル」で電子ブレーカーを導入していました。私(現オーナー)は、2022年の夏前に、この店を(前オーナーから)引き継いだため、毎月仕方なく電子ブレーカーのレンタル料金を支払っています。
私(現オーナー)としては、「前オーナーが結んだ契約で、私には関係ないことなので、「レンタル契約(10年)」を早急に解約したい」と、そのレンタル業者に何回も申し入れしていますが、「契約書には、電子ブレーカーを導入して、下がった(削減した)低圧電力の基本料金の半額を、毎月電子ブレーカーのレンタル料金として10年間支払うこと。と書いてありますし、現に現在も毎月、基本料金はしっかりと削減されているわけですから…」などと言って、解約に応じてくれません。
そうこうしているうちに(2022年の)6月の後半になり、店内の気温も上昇してきたため、店内の動力エアコン(冷房)を作動させました。が、なかなか涼しくならないため、エアコンの操作盤を確認してみたところ、(運転部分の点灯が消え)エアコンが止まっていたのでした。原因を調べてみると、建物の分電盤内に付けてある電子ブレーカーが落ちて、店舗全体の動力電気を遮断してしまっていたのです。私はとりあえず、電子ブレーカーの操作レバーを上にあげ、動力電気を復旧させました。が、その後も(電子ブレーカーが)遮断を繰り返すため、電子ブレーカーを設置した業者に早急に対応してくれるよう連絡を入れました。
ほどなくして、電気工事業者さんらしき人がやって来て、(電子ブレーカーが入っている)分電盤内の電気工事(らしき)ことを行い、何とか動力エアコンを稼働させることができたのでした。
…が、それから約1年後、その時の電気工事(らしき)ことは、「3-②の画像」のように、「(電子ブレーカーが動力電気回線内から完全にはずされ)ただ、横にして置いてあるだけになっている」ということを、他の業者さんから聞かされ、物凄くびっくりしたのです。要するに、電子ブレーカー自体をはずして、動力の電気回線を「直結」に結び変えていたのです。
今回の件から考えられること…
まず、春のエアコン(冷暖房)を使わない時期に電子ブレーカーを取付けておき、(遮断トラブルなく)ふつうに(店内の動力電気を)数カ月間使わせます。その後、夏前になり、暑くなってきたらエアコンを使い始めます。そうすると、電子ブレーカーが容量(KW)不足になり、遮断を繰り返えすことになるのです。そこで悪質業者は、電子ブレーカーを電気回線内から取りはずし(切り離し)、電線を「直結」に結び変え、(店内の動力電気を)復旧させる。…という「電子ブレーカーの遮断」と「取りはずし」を前提とした(とんでもない)悪質なシナリオになっているのです。
要するに、悪質業者は電子ブレーカーの容量(KW)を設定するとき、エアコン(が稼働したとき)の電流値(A)は、(わざと)計算に入れずに設定しているのです。そのため低圧電力(動力)の契約電力KWを本来より数段小さく設定できるのです。(それに伴い)電気料金(基本料金)の削減額も本来より数段大きくすることができ、毎月の電子ブレーカーのレンタル料金(動力の電気料金(基本料金)の月額削減金額の半額)も、本来より数段高く設定することができるようになるのです。
そもそも電子ブレーカーは、工場のように、短時間(30分以内)で、「動いては止まる」「動いては止まる」を繰り返す動力設備が多い施設に向いています。今回のような居酒屋さんやレストラン、飲食店のような施設には、そのような動力設備はほとんど付いていないため、電子ブレーカーの導入自体、全く向いていないのです。今回の居酒屋さんも、本来なら電子ブレーカーを導入することはできなかったのです。(動力のエアコンや動力の冷凍庫・冷蔵庫は(30分以上)連続で動き続けるため、本来電子ブレーカーは付けてはいけないのです)
このことは、飲食店だけに留まらず、各種の店舗や事務所、集会所等の施設にも同じことがいえますので、もし、電子ブレーカーの業者が営業に来た時には、はっきりと断りましょう。
ところで、今回の行為も電力会社に対する詐欺行為である。と同時に、お客様の信頼を裏切る悪質極まりない「悪質詐欺商法」だといえます。
注)上記のような悪質な詐欺行為が全国で行われていますので、十分ご注意ください。
特に、「電子ブレーカーが遮断(落ちて)」しまったときや、「遮断を繰り返す」ときには「要注意」ですので、くれぐれもご注意ください。
\電子ブレーカーの購入・買い替えなら/
『業界一の性能』なのに『業界一の低価格』それは【広島エスコのみんなの電子ブレーカー】
<問題提起:稼働しているコンプレッサーを短時間で強制的に止める装置について>
広島県広島市の自動車整備工場であった実例をご紹介します…
「3-③の画像」のような白いルービックキューブぐらいの大きさのブレーカーらしき物が、(電子ブレーカーとセットで)付いているところをたまに見受けます。
これは、動いている動力設備や動力機械のモーターを、途中で電気信号により(電気を遮断して)強制的に止める(ための)ブレーカーなのです。
「3-③の画像」は、電子ブレーカーから出される電気信号によって、コンプレッサー(3.75KW)×1台を、強制的に途中で止める(ための)ブレーカーなのです。ご存じのようにコンプレッサーは本来、コンプレッサーのタンク内に「エア」が「適正量」まで溜まったら、自然に(コンプレッサーの稼働を)止める仕組になっているのです…
2024年9月弊社は、「3-③の画像」のご所有者(オーナー)さんから「(強制的にコンプレッサーを止める)ブレーカーを、電子ブレーカーを設置した業者が付けてから、短時間(1分~1分半)でコンプレッサーの稼働が止まるようになってしまった。稼働しているコンプレッサーを強制的に途中で止めて、本当に大丈夫なのか?コンプレッサーが故障しやすくなる原因にならないか?とても心配しています」と言われたため、その場で、そのコンプレッサーのメーカーの本社に直接電話で確認をとってみました…
そうすると、「コンプレッサーは途中で強制的に止めると、故障の原因になる可能性がありますので、その装置(強制的に止めるブレーカーなど)は、早くはずして下さい」との返答が返ってきました。そのことを、ご所有者(オーナーさん)に伝えると、その装置の撤去と新しい電子ブレーカーへの交換をご希望されたのでした…。
なお、この(強制的にコンプレッサーを止める)装置を付けた電子ブレーカーの販売業者は、装置を付ける前も、付けた後も、そのオーナーさんには、付けたことを一切伝えていませんでした。要するにオーナーさんに黙って勝手に付けていたのです。
そのため、オーナーさんは、装置を付けられた数年後に、他の業者(営業に来ていた他の電子ブレーカー業者)から聞かされ、初めて知ったのでした。
この実例も上記の2つの悪質な実例と同様に、「何が何でも電子ブレーカーを売りたい」そして、「少しでも設置する電子ブレーカーの容量(KW)を小さく」して、「低圧電力の基本料金の削減額を大きく」し、「電子ブレーカーを少しでも高く売りたい」という自己中心的な気持ちが表れた悪質なものだろうと考えています。
4.マンションやビルの共用部に電子ブレーカーを設置するときの事前準備と当日の対応
まず、マンションやビルの共用部の動力電気回線内に電子ブレーカーを設置するためには、共用部の動力電源(のみ)を、約30~40分間遮断(停電)する必要があります。
その上で、(電子ブレーカーの)設置工事を行います。動力電源が遮断しているわけですから、その間は、共用部の動力設備(エレベーターや給水ポンプ、動力の排水ポンプ、機械式駐車場など)は全て止まってしまい、使えなくなってしまうのです。
このような工事を行うときには、当マンションやビルにお住まいになっておられる居住者さんや入居者さん並びに来訪者さん。そして、エレベーターの保守点検業者さんや警備業者さんなどにも、必ず事前にお伝えしておく必要があるのです。
<ここでひとつ重要なチェックポイント:電子ブレーカーの設置禁止事項>
マンション・ビル等の集合住宅に「消火栓ポンプ」が設置されており、且つ、消火栓ポンプの動力電気回線が、共用部の他の動力設備(エレベーターや給水ポンプなど)の動力電気回線と、一緒(同一回線)になっている場合には「消防法」の関係で、電子ブレーカーは設置することができません。もし、設置した場合には完全な「消防法違反」となります。
詳しくは、当ホームページ内のブログ:「電子ブレーカーを分譲マンションに正しく導入する方法」をご覧ください。
それでは、以下にマンションやビルにおける電子ブレーカー設置工事を無事に完了させるまでの具体的な流れをご紹介します…
<電子ブレーカーの設置工事日までに行っておくこと>
電子ブレーカーの設置工事日程を決める(居住者さんのことを考えて工事日程を決める)
必ず、平日の9:00~11:30か、13:00~15:30の、いずれかの時間内で工事日程を決めること(土、日、祝祭日及び、平日の他の時間帯は避けること)
設置工事日程が掲載された使用休止のお知らせ文「共用部の動力電気工事に伴う、動力設備各種(エレベーターや給水ポンプ、機械式駐車場など)の使用休止のお知らせ(文)」を作成します。なお、お知らせ文に掲載する内容については、給水ポンプの様式によって中身(断水に関すること)が大きく変わってきますので、下記③の内容をご確認ください。
上記②のお知らせ文を、各方面(エレベーターの中や1階のエレペーター乗り場の押しボタンの近く、機械式駐車場の操作盤の近く及び、掲示板など)に掲示します。
なお、給水ポンプが休止(停止)することによって「断水」になる場合には、断水になる可能性のあるお部屋には、事前に個別でお知らせ文を配布(ポスティング)する必要があります。
また、お知らせ文の掲示や配布は、電子ブレーカーの設置工事日の、最低でも10日以上前までには、済ませておく必要があります。
また、「断水」になる可能性については、給水ポンプの様式によって違いがありますので、それぞれの様式によって、お知らせ文の内容や配布するべき対象のお部屋が、以下のように変わってきます…
- 水道直結増圧給水ポンプの場合の「断水」になる可能性は「6階以上~」のお部屋です。
- 加圧給水ポンプの場合の「断水」になる可能性は、「1階以上~」すなわち全戸のお部屋です。
(ただし、建物によっては、低層階(5階ぐらい)までは、水道直結にしてあるところも稀にありますので、その場合には低層階のお部屋は「断水」にはなりません。詳しくは「建物図面」でご確認下さい) - 揚水給水ポンプの場合の「断水」になる可能性は、基本的には「ありません」
(通常、屋上にある高架水槽に水が貯めてあり、休止中でもその水を落下させ、全戸に供
給することができるからです。停電による休止時間(30~40分間)ぐらいなら、通常の場合、「断水」にはなりません。ただし、本項目の①の設置工事日程の決め方は遵守して下さい)
以上のように、給水ポンプの様式によって、内容(断水の有り無し)や、それに伴うお知らせ文の配布対象となるお部屋が違ってきますので、注意が必要です。
エレベーターの保守点検業者さんと警備業者さんに、電子ブレーカーの設置工事に伴う、動力設備(エレベーター等)の休止(停止)と、その間共用部の動力電源全体が遮断(停電)することを、設置工事の前に必ず伝えておく必要があります。また、タワー式の立体駐車場がある場合には、タワー式の立体駐車場の保守点検業者さんにも、必ず休止(停電)日程を事前に伝えておく必要があります。
<注意事項>
電子ブレーカーの設置工事は、あくまでも共用部の動力電源のみを遮断(停電)して行うものですので、他の電源(お部屋内の電気や、共用部の電灯の電気や、インターネット回線など)には、一切影響がありませんので、ご安心ください。
※上記の文言については「お知らせ文」の中にも「但し書き」として必ず記載してください。
<電子ブレーカーの設置工事当日にやるべきこと>
・共用部の動力電源を遮断(停電)する30~60分ぐらい前に、電気工事業者さんが、現場に入るため、(スムーズに入れるよう)対応します。できれば、電気工事業者さんの車を止めるスペース(駐車場等)が確保されていれば…と思います。
・「お知らせ文」に掲載されている工事の開始時刻が近づいてきたら、1階のエレベーターの乗降口まで(一人で)向います。(エレベーターが2機以上ある場合には、その機数分の人員が必要です)
・工事の開始時刻になる直前に、エレベーターを1階に停車させ、誰も載っていないことを確認し、エレベーターの扉を手で押さえながら、開いたままにしておいて、工事現場に居る電気工事業者さんに携帯電話で、(既存の共用部の動力の)ブレーカーを落として(遮断して)もらうよう伝えます。ただ、機械式駐車場がある物件の場合には、機械式駐車場が稼働していないことも同時に確認し、現場に居る電気工事業者さんに伝達する必要があります。
・この後、電気工事業者さんは(既存の共用部の動力の)ブレーカーを遮断するわけですが、その物件が「揚水給水ポンプ」の場合には、揚水給水ポンプが稼働していないことを手持ちのクランプ(電流計測器)で確認した上で、ブレーカーを遮断させなくてはならないのです(揚水給水ポンプは古い物が多いため、稼働している途中で無理やり止めると故障する可能性が高くなってしまうからです)もし、揚水給水ポンプが稼働していたら、その稼働が終わるまで待ってから、ブレーカーを遮断させましょう。
・設置工事時間中に、エレベーターに乗りたそうな人が現れたら、「お詫びとご協力のお願い」の一言を掛けましょう。また、お年寄りや妊婦さん等の場合で、どうしても設置工事が終わるまでは待てない。とおっしゃる場合には、本人さん承諾の上で、荷物等を持ってあげて、非常階段から一緒にお部屋まで上がってあげましょう。
・電子ブレーカーの設置工事が終了したら、まず掲示していた「使用休止のお知らせ文」を全部剝がします。
・その後、エレベーターや機械式駐車場の「稼働確認(工事前と同じように動くかどうか?)」を行います。
また、余裕があればエレベーターの保守点検業者さんや警備業者さんにも無事終了した旨の連絡を入れてあげましょう。
・電子ブレーカーのお客様(オーナー様)が、設置工事の現場にいらっしゃらない場合には、無事、電子ブレーカーの設置工事が終了したことを、電話等でお知らせしてあげましょう。
<設置工事が終了した後の流れ>
・設置工事が終了してから一週間以内ぐらいまでに、大手電力会社の下部組織(〇〇電気保安協会か〇電工か〇〇〇〇ネットワークなど)が設置後の「現地検査(確認検査)」にやってきます。
・上記の確認検査が終わってから、しばらくすると、(契約している電力会社から毎月届いている)低圧電力の電気料金の明細書に、電子ブレーカー導入後の契約電力(KW)が記載されてきます。このことによって、電子ブレーカーを導入して基本料金が下がったことを正式に確認できるのです。
5.電子ブレーカーを屋外に設置する際の「防水対策(工事)」について
本来、電子ブレーカーは、通常の状態や環境の中で、正しくふつうに使って(付けて)いれば、(そうそう)故障するようなものではありませんが、それは雨や雪の侵入を防ぐための「防水対策」がきちんと施してあることが大前提となります。
ちなみに、電子ブレーカーの製品保証書には「(1年間の無償修理保証の期間内であっても)、水分や粉塵の侵入による故障の場合には(無償ではなく)有償(での)修理となります」と、はっきり書かれているのです。
要するに、「防水対策」をしっかりと施していないと、メーカーの製品保証の対象にもなれないのです。
では、ここからは電子ブレーカーの「防水対策(工事)」についてご説明します。
電子ブレーカーの「防水対策(工事)」は、以下の2つのケースに分けられます。
- 電子ブレーカーを屋外にある分電場・配電盤・計器盤の中に設置するケース
- 電子ブレーカーを「ブレーカー専用ボックス」の中に入れて屋外に設置するケース
➀電子ブレーカーを屋外にある分電盤・配電盤・計器盤の中に設置するケース
この場合のポイントは、電子ブレーカーを設置する(入れる)入れ物である分電盤や配電盤や計器盤から、雨水や雪が入ってくる可能性はあるのか?どうか?を、電子ブレーカーの設置工事を行う前に、目視でしっかりと確認しておく必要があります。
また、(古くなって)錆びている部分や朽ちている部分だけではなく、近い将来、錆びたり朽ちたりしそうな部分なども予想しながら確認されることをお勧めします。また、分電盤・配電盤・計器盤が、壁などと接地(接触)している場合は、その部分の接合部(取り合い)などや、分電盤・配電盤・計器盤の屋根となる部分(一番上の部分)も(場合によっては脚立などに載って)しっかりと確認されることをお勧めします。
なお、「5-①の画像」は、(電子ブレーカーが入っている)計器盤の屋根部分の半分と、計器盤と壁の接合部(取り合い)に「コーキング」を施し、「防水対策(工事)」を行った画像です。なお、「防水対策(工事)」は、電子ブレーカーの設置工事と一緒に、電気工事業者さんに施工してもらいましょう。
詳しくは、当ホームページのブログ:電子ブレーカーのメーカーや代理店、耐用年数や減価償却・勘定科目と故障要因・修理保証について本当のこと教えます をご参照ください。
②電子ブレーカーを「ブレーカー専用ボックス」の中に入れて屋外に設置するケース
この場合のポイントは、必ず「屋外用のブレーカー専用ボックス」を使用することです。くれぐれも「屋内用」や、「屋内兼雨線内用」の「ブレーカー専用ボックス」は使用しないよう、しっかりと確認した上で「屋外用のブレーカー専用ボックス」を使用しましょう。
詳しくは、当ホームページのブログ:電子ブレーカーのメーカーや代理店、耐用年数や減価償却・勘定科目と故障要因・修理保証について本当のこと教えます をご参照ください。
6.電子ブレーカーの設置工事費と電気工事業者さんについて
一般的に、電子ブレーカー×1台当たりの(新規での)設置工事費(の総額)の相場は(電力会社への申請も含め)税込44,000円ぐらいだと言われています。ただ、東京などの大都会の場合には税込49,500円~55,000円ぐらいになってしまうこともあります。
一方、電子ブレーカーの取り替え(交換)工事の場合には、(新規設置に比べて)税込で5,500円ぐらいの値引きは(十分)可能なので、(上手に)価格交渉されることをお勧めします。
ところで、弊社の長年(18年以上)の経験からくる「経験則」として、工事費は、電気工事業者さんの従業員数が多くなってくるほど、高くなる。また、電子ブレーカーの設置工事の見積書や請求書の内訳(内容)が、細かく、たくさん書いてある電気工事業者さんほど総額での工事費は高くなる。などの傾向が(強く)あるように感じています。
正直なところ、電子ブレーカーの設置工事(程度)なら、電気工事業者さん一人でも十分作業できますので、極端に言えば、従業員数1~2名の小さな電気工事業者さんでも全く問題ないのです。その分(少人数の分)、設置工事費も良心的に設定してもらえる可能性が高くなるのではないか?…と予想できます。
ただ、注意点として、その電気工事業者さんが、(地元の)大手電力会社に対して(電子ブレーカーの設置工事などの)「申請」を行うことができるのか?を、確認しておく必要があります。「申請」するためには、大手電力会社に対して(事前に)「登録業者」もしくは「登録個人」として登録しているか、もしくは、まだ登録していない場合には、(これを機会に)新しく登録する必要があるのです。
以上、電子ブレーカーの設置工事費と電気工事業者さんについて、弊社の考えをお伝えいたしました。
最後に、
本ブログが、「電子ブレーカーを正しく導入・設置するための大切な情報源」として、少しでも皆様のお役に立てますことを、切に願っております。
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『業界一の性能』なのに『業界一の低価格』それは【広島エスコのみんなの電子ブレーカー】
長文のところ、最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。